年上王子のお嫁さん☆


涙ながらにつむぎだしている言葉に、彼女のことが理解出来たような感じがした。


ただ、トラウマがあっただけ。



人間を……信じれないだけ。





「あたし、ひどいことした…
ごめんなさい…本当に……

槇原くんがあたしの言葉を断ったところで…大切にしてくれる人だってわかってたはずなのに。」


「いぇ……本心が聞けてよかったです。」




俺が微笑むと、安藤さんも力なく笑った。




「…花火大会、一緒に行きたかったのは本当。

あたし、その日に彼と別れることにしたから。」





そう言った彼女の瞳は

さっきともこの前とも違う、力強い瞳だった。




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