年上王子のお嫁さん☆
ゆっくりと隣を見ると、お父さんは穏やかに笑っていた。
その瞳にはわずかに涙が…
やっぱり、あたし……
「お父さん…」
「華…幸せになれよ。
……二人で、な。」
「っ……」
お父さんの隣を歩くなんて、なかなかないよ。
しかも、こんな場所で なんて
望んでたはずなのに、いざとなると緊張して、嬉しすぎて
上手く笑えないよ…
「華…」
「け、ぃと…」
ゆっくりと、お父さんの腕が離れていく。
そのかわりに掴まるのは、啓飛の腕。
ずっと掴まりたかった、逞しい腕。
その感触に、また涙が溢れる。
「泣きすぎ。早くねぇか?(笑)」
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