『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第142話

「・・・頑張れよ」優しく聞こえる敏哉の声。

「・・・・頑張れないんだよ!」一呼吸置いて、悔しそうに嘆く昭太郎。

「どうしたんだ、何かあったのか・・・」

「どうもしてないよ」

「・・・・・」

「用事がないなら切るぞ」
投げやりに切ろうとする昭太郎に敏哉は
「弱っちくなったなぁ、おい、ガキの頃のお前を思い出すな」と低い声で言った。

「・・・・・」

「おい、昭太郎、お前は終わりか・・・弱気になりやがって」

「・・・・・」

「終わりかって訊いてんだろ」

「・・・・・」

「おい!答えろ、昭太郎」怒鳴りつける敏哉の声。

 しばらくの沈黙が続く。

「おい、訊いてるのか・・・おい!」

沈黙から一変した昭太郎は小さい声で言った。
「・・・・・敏ちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・終わりたくないよ」

「1回前のメールもショボかったけど、今もショボいな」
敏哉の低い声が昭太郎に響く。

「・・・・・頑張れないんだよ、でも、終わりたくないよ。敏ちゃん・・・・・・・・・俺、どうしたらいい・・」

 弱気で半泣きの昭太郎に敏哉は言い切る。
「やりきれよ」

「・・・・・」

「手術して帰ってくるって言っただろ、・・・やりきれよ」

「・・・・・」

「後悔するヤツはどんな道を選んでも後悔するんだ」

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