『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第146話

「そうや、自分でええっていうもんは、それでええのや」

「お前は大人なんだか、今どきの子供なんだか、よくわからん」

「そういうとこ昭太郎はオヤジくさいでぇ」

「そういうとことか言うなよ、チサとは10コも違うんだから」

「シャレやん」

「高校生に言われるとシャレにならねぇーよ」

 ニカッ

「で、留学して良かったのか?」

「うん、よかった!絶対にまた来るんや、将来、英語の仕事についてまた来る」

「そうか、じゃあいい留学だったんだな」

「昭太郎はもう来たくないん?」

「俺は暫くいいや、ここは俺には地獄だからな」と煙をふかして地面に押しつけた。

「そうか・・・」

「ていうか、俺はまだ帰国決まってないんだけど」とチサを覗き込む昭太郎。

「そうやな、へへ」


「もう一本いくか?」

「ええの?」

「1本も2本も変わらねぇだろ」

「そうやね」

「俺がタバコ吸ってるのって悪いことかな・・・」

「ウチが吸ったらいけんかもしれんけど、昭太郎は大人だからええんちゃう」

「そういうことじゃなくてさ、病人がタバコ吸ったらいけないかな?」

「良いか悪いかは自分で決めればええんとちゃう、でもタバコは中毒なだけやで」

 チサの顔を覗き込んだ昭太郎。
「おまえ・・・やっぱするどいな」

「昭太郎に言われると、かゆいわ」

「中毒なことも薄々は感じてるんだけど、やっぱ好きだから吸ってるっていうこだわりを・・・いや、違う。やっぱ今は辞める気にならねぇんだよ。気合い入れるのがかったるいっていうか、失敗するのが恐いって言うか・・・・・・やっぱ、俺が弱いんだろうな・・・正直、こんな状況で我慢することを増やすのは辛いんだよな・・・」

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