『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第148話

「・・・そうだな」

「昭太郎が帰国したらウチ会いに行くさかい、手術終わったら報告してな」

「そうだな」

「絶対やで」

「そうだな」

「そうだなばっかやん」

「おう、会おうな」

「そうや、絶対やで」

「最後に頼みがある」

「最後やないって言ってるやん」

「ごめん、その大通りまで肩を貸してくれ」

「・・・足、辛いん」

「おう、ちょっとな」
 チサの肩に捕まりながらゆっくりと歩き出す。

「今日、無理して来てくれたんちゃう」

「そんなことないよ、バスの階段がちょっと辛くてな」

 ゆっくりと歩く昭太郎に歩幅を合わせるチサ。

 歩きながら会話を続ける2人。

「タクシーで来たん」

「最近ちょっと金持ちになったんだ」

「何やそれ」

「こないだカジノで大勝ちしたんだよ、$200が$600になったんだよ」

「すごいやん」

「すごいやろ・・・チサにしか言えないけどな・・・」

「そうかー」

「そうや」

「関西弁になっとるで」

「わざとやん」
 大通りに着いた昭太郎はタクシーを捕まえた。

「じゃ、日本でな」右手を差し出した昭太郎。

「またな」
そっと出した手を掴んで2回揺らした。

チサはニカッと笑った。




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