『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第151話

 クリスマスの日、街に大勢が繰り出し、賑やかに花火が打ち上げられる。

オーストラリアのテレビから流れる各地の中継映像に、これが「MERRY CHRISTMAS & HAPPY NEW YEAR」だと実感した。

 &ハッピーニューイヤーの意味がわかるかのように、26日からの閑散とした街並と真っ白な夏日が年の瀬を感じさせることはなかった。





 そんな静かな大晦日の南国に相楽敏哉はやってきた。

 敏哉からの土産は友人達からの手紙だった。

その手紙はアルバムにスクラップされ、定められたフォーマットに写真が貼り付けられていた。

 50人を越える人達からの手紙と千羽鶴。

その手紙はフリーターの鶴見勇介が走り回って集めてきたという裏話を聞いた。

そして勇介は金が貯まったらまた行けるようにバイトを頑張っているという伝言を告げられた。

折り紙の鶴は千羽ではなく三千羽はいた。

地元の叔母さん達や学校の友人で集まって鶴を折ってくれたらしい。

そんな状況を思い浮かべて下唇を噛む昭太郎。

そして、藤木光隆からのお約束カンコーヒーも添えられていた・・・。

 大きな気持ちと荷物をひとりで抱えてきた敏哉に感謝する気持ちを噛みしめていた。

 クリスマスより1人増えた大晦日。

3人で年越しそばを食べながら日本の話しを聞いた。

 午前0時、日本人らしく「あけましておめでとうございます」と言いあって笑いあうジャパニーズシーンがここにある・・・。

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