初恋と流れ星
「で、願い事はしたの?」

「あっ」

忘れてた。
一瞬過ぎてそんなこと、すっかり忘れてた。

その姿を見て倉吉くんはまた笑った。

「森野って表情がころころ変わっておもしろいな」

なんかそれも子供っぽいって言われてる気がする。

「子供っぽくて悪かったわね」

怒り口調でわたしが言うと、

「今度は拗ねた」

「拗ねてなんかないわよ!」

そんなわたしを見て、ますます倉吉くんが笑う。

「もうっ!」

そう言ってわたしも笑い出す。

10年前にはこんなふうに笑い合うことってなかった。
少し話せたことが嬉しいって思ってたけど、楽しいっていう感情ではなかった。

今になってそういう日がくるなんて思ってもみなかった。


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