初恋と流れ星
「流星って1cmにも満たない小さな塵なんだ。それがあんなにきれいに輝くなんて不思議だよな」

笑いもおさまった倉吉くんが言った。

星のことを話す瞳はそんな星のようにきらきらと輝いていて、
「倉吉くんのほうがよっぽど子供みたいだよ」
と反論と憧憬の感情を持って、心の中で呟いた。

そんなふうに夢中になれるものがあるのが羨ましい。
わたしにはそんなもの思い付かない。

とっくの昔にどこかに忘れてきた。

「本当に星が好きなんだね」

決して嫌みじゃなく、心の底からそう思った。

「俺、天文学者を目指してるんだ」

「えっ?」

「今も大学院で勉強してる」

「すごい。ちゃんと夢を持ってそれに向かってるなんてすごいよ」

わたしは自分も含めてまわりでそんな人を見たことがない。

ずっと夢を追いかけている人って本当にいるんだ。

倉吉くんを賞賛しつつ、自分の中にぽっかりと穴が空いた気分になった。


< 13 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop