左肩の重み~美香story~
次の日に真人に病院に連れて行ってもらった。


結果はただの風邪だった。


でも薬を飲んでも熱は下がらないし、咳も止まらない。


真人はずっと、私の傍にいて看病をしてくれた。


結局月曜になっても熱は下がらず、会社を休んだ。


「一人で大丈夫か?」


「子供じゃないんだから」


あまりに私の熱が高いため、真人は会社に行くことをためらっていたけど、それでも私が何度も大丈夫だと言うから、心配そうな顔をしながらも会社に向かった。


真人は今、大きなプロジェクトを抱えている。


そんな大事な時期に、私の為に会社を休ませるわけにはいかない。


それに、恋人が風邪ひいただけで会社を休む人なんているんだろうか?


目の離せない子供じゃあるまいし。


「けほっけほっ」


いつまでたっても止まらない咳。


この夜熱は、9度9分まで上がっていた。
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