左肩の重み~美香story~
なんだか前にも同じようなこと聞かれたなと思いながら、まだ眠かった私は目を閉じた。


「嫌いじゃないよ」


「そうか」


そうかって、前も同じ返事だった。


「美香」


「んー?」


「仕事、辞めるか?」


「辞めたいけど、奨学金返さないといけないもん」


働かないでいいなら辞めたいけど、奨学金のことを考えるとそうもいかない。


「奨学金は、俺が返すって言ったら?」


「それは嬉しいけど、でもまだ8月までは新井さんの面倒見ないといけないし」


新井さんって、今私が見てる新人の女の子。


「8月過ぎたら仕事辞めてさ」


「ん?」


「俺と結婚しよう」
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