DislikeMan~男なんて嫌い~



2時限目が終わっても、早苗は学校に来る様子を見せない。


周りの友達も、みんな早苗が来ないことを心配して、私のところに聞きに来た。


だけど、私に聞かれたって困るわけで。


次の時間は授業を入れてないから、とりあえず早苗に電話をかけることにした。


また呼び出し音が続き、プツっと音がした。


さっきみたいに留守電だったら困るから少し間をおいてみると、機械音は聞こえなかった。


どうやら留守電ではないらしい。


「もしもし」


「……もしもし」


「早苗!?」


「恋歌……」


いつもの早苗じゃ考えられないくらいのテンションで答える。


「学校来ないから……。心配したじゃん」


できるだけ明るく言ってみるけど、早苗のテンションは上がらない。


「ごめん。ちょっと、具合悪くてさ……」


「……今から行くから。待ってて」


「え?ちょ、恋___」


早苗の声を途中で切って、かばんをおいたまま大学を出た。


授業がない人は、だいたいみんな大学の中にいるなんてことはしない。


恋人と会ってたり、ゲーセン行ったり、映画見に行ってる人だっている。


私が必死の形相で廊下を駆け抜けようと、気にする人なんてほとんどいない。


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