DislikeMan~男なんて嫌い~
シトラスの香りが漂う車内は、きれいに掃除されていて、ソファもふかふか。
「貸して」
マーガレットを後部座席に置くと、エンジンをかけて車を出発させた。
「城西さんの車……」
「そ。高校卒業してすぐ免許取ったんだ」
いい感じの洋楽が流れて、なおのこと彼をかっこよく見せる。
「優貴恵と付き合ってた時は、これじゃないのに乗ってたから安心して」
なんて冗談交じりで教えてくれた。
本当は、それが聞きたくて堪らなかった。
どうして彼には私の考えていることが伝わるのかな。
「そ、そうなんですか」
考えていることに答えを返されて、なぜかしどろもどろになりながらそう返事をした。
チラッと横目で彼を捉える。
運転している姿もまた、見惚れてしまいそうになる。