DislikeMan~男なんて嫌い~



ボーリング場の駐車場にきれいに車がはいるとき。


より一層彼は輝いて見える。


さっきの会話で彼は少しイライラしてるように見えたけど、それでもカッコよさは劣らない。


ピタッと車が止まって、エンジンを切るとドアを開けて私の方へと回る。


私の方のドアを開けると、丁寧に降りるように示してくれる。


こういうの、ほんと紳士だなって思う。


……心次とは違う。


ついそんなことを考えてしまった。


「ほら、早苗ちゃん?行くよ」


手を差し伸ばして、優しく微笑んだ城西さんに笑い返すと、私の頭の中から心次のことは消え去った。


「ボーリングなんて久しぶりだなぁ」


「……ほんと」


キョロキョロしながらボールを選ぶ。


最後にボーリング来たのって、心次とだった気がする。


せっかく忘れてたのに、また思い出してしまった。


″お前、ボーリング下手だなぁ″


なんて馬鹿にされて。


″こうやんだよ″


言いながら投げたボールは、きれいにヘッドピンを捉えて、ストライクをたたき出した。


″すごいね、心次!!″と言った私にガッツポーズでキメ顔をくれたのを覚えてる。


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