DislikeMan~男なんて嫌い~



私の投げたボールは、途中でコースを外れてガーター。


自分で行きたいって言ったけど、やっぱりボーリングは得意じゃない。


「ははっ。もうちょっとだね」


心次と違って、城西さんは頭をポンと叩きながらそう言ってくれた。


「私、下手くそで…」


「そんなことないよ。俺とあんま変わんない」


悪戯っぽく笑ってくれたから、心なしか気が楽になった。


ボーリングができないことで、気を沈めてるわけじゃないことを、城西さんは察してくれてたみたい。


それからは心次のことを思い出すこともなく、無事にボーリングを終えた。


最高スコア60だった私が、城西さんからのちょっとしたアドバイスで90にまでスコアを伸ばすことができた。


それに対して城西さんのスコアは170と高得点。


「普段ならもうちょっといけるんだけどなぁ。…早苗ちゃんと一緒だから、緊張したのかも」


だそうで…。


話の流れで、スコアの低い私が負け。


よって、何かおごってということになった。


ボーリング場の入り口付近にある自動販売機で、飲み物を2つ買って城西さんに渡す。


「ほんとにこんなものでいいんですか?」


「もちろん。女の子に高価なものおごらせるわけにはいかないからね」


……自分で罰ゲームとか言っておいて。


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