DislikeMan~男なんて嫌い~
晩御飯は、綺麗な外見のイタリアレストラン。
高そう……。
私の心配とは裏腹に、割とリーズナブルな料理の数々。
「なんでも好きなもの食べてね。…ここは、俺がちゃんと払うから」
なんて冗談めかして、彼はまた悪戯っぽく笑う。
そんな城西さんがたまらなく私の胸をくすぐる。
本格イタリアンなんて食べたことないから、どうしようか迷ったけど、ナポリタンを頼んだ。
「…おいしい……」
目を見張るような美味しさに、思わず声が漏れる。
「でしょ?ここね、俺の姉貴の友達の店」
「お姉さんいらっしゃるんですか」
「うん、4つ上に。今はどこにいるかもわかんないくらいの風来坊だけどね」
苦笑いでそう教えてくれた。
「あら、まーくんじゃない。久しぶりね」
そばを通りかかったシェフ風の出で立ちをした女の人が、私たちのテーブルを通り過ぎようとして戻ってきた。
「あ、奏愛ちゃん」
奏愛(カナエ)と呼ばれたその人は、懐かしそうに城西さんを見つめた。