DislikeMan~男なんて嫌い~
「このあと、まだ時間ある?」
食事も終えて、コーヒーを飲んでいると、城西さんが聞いた。
「え…。えぇ、ありますよ」
「よかった。行きたいとこあるんだ」
眩しいキラキラの笑顔に、思わず目がくらみそうになる。
「じゃ、行こうか」
そんなに早く行きたいのか、コーヒーをさっさと飲み干して、城西さんは立ち上がった。
「あ、はい」
私も慌ててコーヒーを飲んで席を立つ。
城西さんのちょっと後ろに立って、お店の中を今一度眺めてみる。
ほんと、クラシックな雰囲気が素敵で、それでいてお料理の値段もリーズナブルなんて……。
城西さんのセンスが伺えるな。
「お待たせ」
さりげなく私の腕を取ってエスコートしてくれる。
「乗って」
変わらず、紳士的に車のドアを開けてくれる。
小さく会釈して助手席にそっと乗り込む。
「どこ行くんですか?」
私の問いにニコっと笑っただけで、城西さんは答えをくれず、そのまま車を発進させた。