DislikeMan~男なんて嫌い~
奏愛さんと城西さんはしばらく目を見開いたまま見つめあっていた。
「あ、あの……」
戸惑いつつ声をかけてみると、城西さんがハッと我に返ったようすで私を見た。
「あぁ、ごめんね。…こちら、さっき話してた姉貴の友達。奏愛ちゃん」
「ここのオーナーやってます。奏愛です。よろしくね」
かわいく笑ったその人は、いかにも姉御という感じの雰囲気を纏っていた。
「まーくんの彼女?」
「え、えっと…」
クスッと笑いかけてきたけど、なんて反応したらいいのかわからなくて戸惑った。
「そう。俺の大事な人」
「えっ…」
「ふふっ。ゆっくりしてってね」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、奏愛さんは去って行った。
びっくりして彼を見つめたままの私に気づいて、彼も悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「ダメだった?」
「いえ……」
「俺は、本気だよ?早苗ちゃんがその気なら、ね」
恥ずかしくて俯いてしまったけど、決して悪い気はしなかった。