DislikeMan~男なんて嫌い~
「あ、恋歌ちゃん」
教室を出てすぐ、男の人に声をかけられた。
「あ……。薪坂さん」
そこにいたのは薪坂さんだった。
イメージと違う感じの服装で、でも口調や雰囲気は柔らかい。
合コンのときと全然印象が違うなぁ。
「ごめんね、いきなり学校来ちゃって」
「いいえ…。どうしたんですか?」
印象は違うけど、優しさは全然変わってなくて、むしろもっと優しくなったかもってくらい。
「メールで話すより、直接会ったほうがいいかな、と思って。明日のこと」
「あぁ……」
道理でメールが返ってこないわけだ。
それにしても、男嫌いの私にわざわざ会いに来るなんてどうかしてるよ。
「ホントごめんね。迷惑なのはわかってたんだけど……」
どうしても恋歌ちゃんに会いたくて、と呟くように言った薪坂さんに我知らずドキっと胸が高鳴った。
「い、いえ。大丈夫ですけど…」
「恋歌ちゃん、男嫌いでしょ?」
唐突に切り出されて、びっくりしてる私をよそに、そうだよねってちょっと寂しそうに呟いた。