狂愛ラバーズ
「どうしてこんな簡単な問題が解けないんですか。いくら授業を聞いてないとはいえ、あまりにもヒドイです。」


「はい…。」


「はい。ではありません。あなたはドシでトロイに加えバカですか。呆れるばかりですね。」





先生の言う通り、バカかもしれない……私の為にもう一度こうやって居残って解説してくれてるのに、わけがわからない。





「天宮さん。あなたの婚約者はお父様の会社に勤める優秀な方なそうですね。そんな方の婚約者にあなたが務まるとは到底思えません。破棄なされる事をお勧めします。あなたがこんなでは相手方は恥をかくんじゃありませんか。」





先生の言葉に視界がボヤけていく。





「泣くのは止めて下さいね。もう17歳、高校生ですよ?このぐらいの事で泣くなど情けない。泣けば許されると思ったら大間違いです。元はあなたが悪いんですから、その資格などないんですよ。」





梶先生は、厳しいと言われているけど、それは生徒を思っての事。




でも、私は目を細めて見下ろす先生が怖かった。





1日……2日……3日と居残りは続き復習授業は19時まで行われた。



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