【短】僕は妹と愛を誓い合う
『…………』
僕の言葉に何も言わず、目を伏せる凛。
『なぁ、凛…』
「……さん…てた……」
そんな凛にもう一度声をかけようと口を開いた時、凛が小さく呟く。
『え?』
「お母さん…泣いてた…きっと…お父さんも怒ってる…あたしの…あたしのせいでっ…」
堪えきれなくなった涙を流しながら凛を抱き締める。
『凛のせいじゃないっ…』
凛のせいじゃないだ。
僕が逃げたから…。
自分の弱さから
凛を忘れるために
愛しても居ない相手との結婚に。
そんな事した所で忘れられる訳が無い
ごまかせる訳がないのに………。