精神の崩壊
DVD④(芸術までの工程)
 瀬川静は、台の上に張り付けにされていた。
 
 その静に向かって、女が斧とナイフをちらつかせながら歩み寄っていく。
 
 〈あなたぁーーっ……〉
 〈私の正春に…ちょっかい掛けてたそうねぇーーっ……〉
 〈ウヒヒヒッ……〉
 〈許さない…許せない……〉
 〈グヒヒヒッ…イヒッ〉
 
 そして、女は不気味な笑い声を上げながら静の前に立った。
 
 静の顎は砕かれているのか、歪んでグニャリとしている。
 
 「んが…ごが……」
 「ゔがご……」
 
 静は声に成らない声を上げながらもがいている。
 
 〈あなたが余り騒ぐから…〉
 〈ご・め・ん・ね…ウヒッ〉
 〈グフッグフッ…イヒヒヒッ〉
 
 そして女は、近くの箱から薄い鉄板や、ネジやケーブル、ドリル等を取り出した。
 
 その後、斧を手に取り勢い良く振り上げた。
 
 「うがーっ…あぐあぐ……」
 〈ウヒヒヒッ…ヒャハッ……〉
 
 そして、喚く静の右腕に斧の背を振り下ろす……。
 
 「うがーーーーっ」

 ドカッガスッゴキッ……

 〈イヒヒヒヒッ…ギャハハハ〉
 「がーーっ…ゔーーっ」
 
 肘関節が砕け、腕がグニャリとありえない方向へ曲がる。
 
 肘からは、じわじわと血が滲みだし、台の上に赤い模様を作り出して行く。
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