愛してるの言葉だけで。


「ごめんなさい!!」



未央ちゃんは泣きそうな顔をしたと思ったら、いきなり頭を勢いよく下げた。


え……



「私、聖也くんが好きなの。それで、夏希ちゃんと聖也くんが仲良くしてる姿に嫉妬しちゃって…あんなことを……本当にごめんなさい!!」



それで私を閉じ込めたの?

幸信がいなかったら私、みんなに迷惑かけちゃってたかもしれないんだよ?


昨日の……あんな幸せを知らずに過ごして行くことになってたかもしれないんだよ?



「私…未央ちゃんのこと友達だと思ってたんだよ?」


「ごめんなさい…」


「信じてたんだよ?」


「ごめんなさい…本当に」



未央ちゃんは頭を下げたまま顔を上げようとはしない。


本当に心から謝っていることがひしひしと伝わってくる。


暗闇は怖かった。


だけど、友達を失うのも嫌だ…
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