§君に殺されるなら本望§ 〜Smoke junkie〜
煙草ではじまる





雲一ツなく広がる大空!


さんさんと降り注ぐ太陽!



「つまりは快晴だね!杉下くん!」





やっと梅雨があけました


あたしたちはまた


こうして屋上に来ています


嫌いだと思った雨も


今では悪くないと


思うんだ、



「るせー…ただでさえ暑いのに、余計暑苦しい奴だなテメーは…」



雨の日も


彼と煙が


摂取出来るからね!



「ふっはっはっはっはっはっ!」



杉下くんは何故か呆れ顔で小首を傾げると、煙草に火を点けた。



「あっ!あたしやるのに…」


といったら


しばらく黙りこんだ杉下くんは


じっと煙草の先を軽く地面に押し付け


またくわえなおした






〜〜〜〜っ…

なんだか胸がきゅぅっとなった







あたしはライターをだして少しくしゃっとした先端に再度火を点す。




また立ち上る煙を見つめ、よくわからない衝動にかられて。




体育座りをしていた自分の膝に顔を埋めてよりいっそう強く足を抱き込んだ。





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