愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
「ちょ……マシュー、大丈夫ッ!?」
その場に膝をついて転んだ彼の肩に触れる寸前、彼はガバリッと身を起こして原因となる白スーツの執事に向かって怒鳴った。
「なーにしやがんだッ、このクソッタレ執事!!」
顔はどこからどう見ても外国人のそれなのに……それに似つかわしくない流暢すぎる日本語がそこから飛び出していた。
「申し訳ありません、私、足が長~いものですから」
ニコニコニコニコ。
笑みを絶やさず、そんなことをしれっと言い切る香椎君に転ばされたマシューと言えば、身長差が倍もあるような相手に怯むことなく食らいついていた。
「なにが足が長いだ、このクソッタレ!! わざと転ばせたくせにッ!! 性悪ッ!! 陰険ッ!! エロおやじッ!!」
「どーのお口がそんな汚い言葉をはいていらっしゃるんでしょーね」
ツルツルの……マシューの両のほっぺたを笑顔でつねりながら横に引っ張る香椎君。
「いでーなッ!! やめろやッ!! ごの……エロじづじッ!!」
「おまえみたいなエロガキに言われたくないですけどね」
びよーんッ。
思いっきり左右に引っ張った後で、パチンと両手でマシューの顔を挟んで香椎君が睨みつける。