愛して 私の俺様執事様!!~執事様は秘密がお好き~
バックの中身は彼女の言う通り、パンとお菓子でぎっちぎっちというか、よく詰まってるわね~っていうか、どう詰め込んだんだ?というくらいに山ほど入っていた。
っていうか、これ、持ってくる段階で教科書とかノート類とか、そういう勉学に関わるものはどこへやった?とツッコむべきか?
「あの……パンとかお菓子とか……お嫌いですか?」
おずおずと大きな二重をしばたかせ、彼女はそう私に聞いた。
いや、パン大好きです。
勿論、お菓子も大好きです。
私の疑問はそこじゃないんだけど、とりあえず。
「いいえ、大好きですよ」
彼女を安心させるようにニッコリ笑顔を添えて答えて見せた。
瞬間、彼女は頬をバラ色に染め、恥ずかしそうに俯くと私が座っていたベンチを指示した。
「あの……あの……座りませんか?」
そうですね、立ち話もなんですもんね。
それは言わず、とりあえずニッコリ笑顔を湛えたまま、私は彼女とともにベンチに腰をかける。
なんでしょう。
この空気。
大きな猫を背負ったまま、私は彼女をちらりと横目で見つめる。
誰なのだろうか?
本当に誰なのだろうか?
可愛らしい子だ。
本当に可愛らしい子だ。
こんな子、この学園にいたかな?
っていうか……この場をどう乗り切ったものか。