ピエロ
「死ねー

死んで私に謝れえー

あひやひやひや

早く死ねー」

雅人の顔は青ざめて

由紀をただ傍観する...。

少しの沈黙の後に

雅人はゆっくり

ドアの方に向かって

歩き出した...。

「きいー

パタン...。」

そんな音が静まり返った部屋に響く...。

死ね死ぬと

小さな由紀の声が小玉する

何時間経っただろう...?

由紀は眠りについた...

暗い世界に

ひとりぼっち...。

遠くを見ると

小さな白い光

由紀はそれに向かって

無我夢中に走り出す

その光は次第に大きくなってく

それと同時に

光の周りの黒い何かが

光を飲み込もうとしてる...。

「待って

待ってー

置いてかないでよおお」

その由紀の必死な願いにも虚しく

黒い何かが

光を全て飲み込んでしまった...。

その黒い何かは

由紀に徐々に近づいて来て

由紀まで飲み込もうとする...。
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