ピエロ
黒い何かは由紀の声も

包み込む...。

そこに残るのは

ただの闇...。

黒い何かから何かが這い出て来る...。

死ね

と小さく呟きながら...。

それは

闇に飲み込まれ

狂気に目覚めた由紀の姿...。

夢の中の正気な由紀は

ただ虚しく悲しく

狂気に目覚めた由紀を見つめる...。

涙は無く...。

ただ悲しく

ただ虚しい目で...。

[っきゆきゆきゆき

起きろよおおぉ]

雅人が思いっきり由紀の肩を揺さぶる...。

「いっ

あひや

雅人だあー

死ねよー死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

[僕思ったんだ

そんな汚い言葉を吐く

由紀は嫌いだよ...。

そんな目で見る由紀は

嫌いだよ

だからその目と口を縫っちゃおっか]

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」

由紀はもう言葉を理解する事すら出来ない
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