先輩とあたし
直樹side


「だるっ」



俺は誰にも聞こえないような声で呟いた。



黒板には『文化祭について』という大きな文字と執事喫茶という文字そして




滝岡直樹――



という俺の名前がしっかりとかかれていた。




「はぁぁ、まぢめんどくせぇ」



なんで俺が執事になって接客なんかしなきゃなんねーんだよ。




裏方でいいだろ…




それもこれもアイツ


相原 桜のせい。




時は戻りーーー


「じゃあ今日は役割きめまーす」




部活のときなみのテンションで文化委員、相原はそういった。




「じゃぁ、先執事のほうきめちゃおう!とりあえず、中野くんと滝岡は決定と」




「は?」




俺はその言葉に一瞬固まった。




「なんか文句ある?まぁ、あっても聞かないけど」




俺の方を見ながら言う相原。




それ、怖いから




しかもそんな顔、女がするもんじゃねーよ?普通




「いや、俺、裏方希望したいんだけど」




「裏方は女子がやるんで無理でーす!」




恐ろしい笑みでにっこりと言った相原。




まぢこえー




「でも、なんで俺と遼だけ、勝手に決まってんだよ?」




「はぁ?そんなことも分かんないの?二人がいい客よせになるからよ!」




いい客寄せってなんだよ?!



「意味分かんねー」





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