半熟cherry

笑いたいのをガマンして。

肩を震わせ寝室に逃げようとした私。



声は聞こえてないはず。

……早く、笑いたい……ッ。



気を抜くと緩んでしまう口元に力をいれ。

寝室へと続く入口のドアノブに手を掛けたトキ。





「「なに笑ってんだよ」」





寸分の狂いもなくハモった2人の声が。

背中から襲い掛かってきた。





『……ぶッ!!』



……も、もう…無理デス…。



『…アハハハハハハッ…アハッ、アハハッ!!』



同じコト言った後に。

今度はハモってるよ……プッ。

どこまで似てるんだ?この2人は。



笑いが止まらなくて。

…お腹、痛くなってきた…。

それでも笑うのを止められなかった。



「…なにそんなにウケてんだ?」

「…俺に聞くな」



当事者である郁と涼真は。

首を傾げていたのは言うまでもない。



 

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