半熟cherry
「バッカ、ココ違ってっし」
「お前こそコレ、答えズレてる」
郁が来てから早2時間。
外は少しづつ柔らかな空へと変わっていく。
涼真と郁の“勉強できるケドおバカさんコンビ”は。
ようやく山のように積んであった宿題に手をつけ始めた。
多少やってあった郁の宿題を写しつつ。
とりあえず20枚くらいあるプリントから始めることにしたらしい。
しかし、まぁ。
副担任の目の前で宿題写すかねぇ…。
ちょっと呆れ気味に小さいため息を吐くと。
いつも使ってるグラスに。
冷蔵庫から出した麦茶を注いだ。
……郁と涼真にも持っていってやるか……。
2人のグラスをカップボードから出した時。
「…茜〜?」
プリントとにらめっこしてた涼真が手招きをした。