半熟cherry
夕ご飯をテーブルに並べる。
チーズたっぷりのグラタン。
ちょっと甘い匂いのする野菜スープ。
色鮮やかなサラダ。
……それから……。
「「…オムライス、卵トロトロ!!」」
郁と涼真が声を揃えて言った。
涼真が半熟オムライス好きだから半熟で作ったんだけど。
郁と一美は大丈夫かな…?
……でも。
心配いらなかったみたい。
「…マジでうまい」
「おいひい♪」
お2人のお口にも合ってよかったデス。
多く作りすぎちゃったかも、と心配だったケド。
そこはさすが食べ盛り。
郁と涼真の2人でペロリ、食べちゃった。
「…あ〜うまかった」
「ごちそうさまでした」
「お腹いっぱい♪」
涼真はソファーに身を沈め。
一美は下に座ってソファーに寄り掛かって。
それぞれ食休み。
テーブルに並べられたお皿は全て空になり。
私は洗い物を始める。
郁は。
カウンター越しに泡だらけになった食器を見ていた。