GODDESS
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背後にいるあーくんの気配が動いた。

思わず口を抑えたあたし。

自分の愚かな行動に悔いても悔やみきれない。


「ちーちゃん?」


ピリッと険をはらんだあーくんの声音。

あたしの額には冷や汗が浮かんで…


絶対、怒ってるっ!


「本当は覚えてるんでしょ?」


その言葉にあたしは固まってしまった。

ちーちゃん、と再度あーくんに名前を呼ばれ、あたしの頭の中は更にパニックになっていた。


「いっ今、思い出したのよっ!」

「嘘。」

「う、嘘じゃないもん…」


こりゃ、もうダメだ。
騙してやろうなんて考えたあたしがダメだった。


慣れないことはするもんじゃないと肩を落としたあたしを、優しいぬくもりが包んだ。


「ちーちゃんってさ、昔から自分に不利な状況になるとどもるよね。」

「…そうかな?」

「うん、そうだよ。だからちょっと追い詰めれば嘘はすぐにわかる。」

「…っ!性悪」

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