GODDESS
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今更だけど、昔からあーくんには敵わない気がする。


「ちーちゃんは今でも彼のこと、好き?」


いきなり、何!?

と目を丸くしたあたし。

けれど、彼の瞳はあまりにも真剣で


「…好きでも嫌いでもなんでもない。」


ただ、悲しくて悔しいだけ…


あたしはそう答えて俯いていた。


「じゃあ、俺のことは?」

「…っ!?」


そんな彼の言葉に思わず顔を上げた。
必然に視線が交わる。


そ、そんな瞳で見つめないでよっ


あたしはあまりにも真っ直ぐな彼の瞳に思わず瞳を逸らす。

ドクドクと心臓が胸をうって…


「ちーちゃん?」


もう、当分恋はしないつもりでいたのに、

恋に懲り懲りしていたはずなのに、

…―なのに


あーくんにときめいている自分がいて…


「…わかんない」


頭の中がいっぱいいっぱいでどうしたら良いのかわからない。

この気持ちを恋と呼んでもいいの?


「ちえ…」


あーくんが口を開いた時、あたしは口を両手で塞ぎ、肩を揺らした。


あー、なんとかくしゃみ堪えれた。


「身体、冷えちゃったな。」


あたしのくしゃみに気付いたのか、あーくんは蛇口を捻るとお湯をあたしにかけてくれた。


あたたかい…
それにしても

16歳ってこんな身体してるんだ…

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