ごめんね…そばに居られなくて
そのあと、胸が張り、母乳が貯まってきた。痛くてたまらない。切開した場合は、点滴をしているため、母乳をしばらくのませることができない。
看護婦さんが一生懸命胸から母乳を出してくれ、搾乳を教えてくれた。ホントにちぎれるくらい痛かった。お腹の傷も、くっつき、子供におちちを飲ませられるようになった。可愛くて可愛くてたまらない。
あぁ このまま、ずーっとこの子と居たい。仕事も辞めてしまいたい。そう思った。

毎日、子供といること、子供の成長が楽しみだった。旦那は、ゲームばかりやっていて、お風呂に入れる以外は何もしてくれなかった。求めすぎだったのだろうか?
つい、不満が口をついて出て来る。喧嘩になる。
女は、子供を身ごもった瞬間、母になるが、旦那が父になるのは、子供が自分をパパと呼んでくれるようになってからのようだ。

こころが中学のとき、母が、こころと妹を連れ、父と別れる決心をして家を飛び出た。父は、こころにとって、だらしなくて頼りない存在だったため、旦那がちゃんとしてくれないことに苛立ちを感じていた。いつか自分も母のようになるのでは?いや、なりたくない。そう思って、毎日葛藤を繰り返していた。

子供が8ヶ月になったころ、仕事に復帰するために、保育所にあずける準備を始めた。その心の裏側で、復帰したくないと叫んでいた。
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