この想いは・・・。

「そろそろ出よう?」


空気もなんとなく重くなったし、もう夜だ。

きっと晴子の夫の信さんも心配するよね。


「まだダメかな?」


晴子はなんだか浮かない顔だ。


「なんで?遅くなったら信さん心配するよ?」


「・・・来るの」


「誰が?」

信さんかな?


「宏太・・・ここに来るの」


「え・・・」


宏太が・・・ここに。


「今日あたしがサクちゃんと会うって言ったら・・・宏太もサクちゃんに会って・・結婚すること伝えたいって」


晴子はあたしの顔を見て言いづらそうに言った。



「あたし断れなくて・・・サクちゃん、ごめんね」


「ううん。宏太がただ来るだけでしょ?晴子が謝ることじゃないよ」


宏太がここに来る。


それだけで心臓が速くなる。


「いつ来るの?」



ドキドキが止まらない。



「たぶんもう少し・・・あ、宏太」


晴子の目線を追うと、そこにはキョロキョロと頭を動かしてあたしたちを探している宏太がいた。



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