この想いは・・・。


暁さんがこの会社・・・違う、この街に帰ってきたのは1年前のことだ。



俺は、入社して3年目だった。


代わり映えのない生活の初めの朝に俺は衝撃を受けた。



「おはようございます」



受付の人が代わっていた。


でもそれだけじゃなかった。




その受付の人が俺が高校の時に好きだった、暁先輩だったからだ。



「お、おはようございます」


俺は暁先輩に噛んであいさつをした。



俺の挨拶に暁先輩は笑った。




その瞬間、俺は高校の頃の気持ちが蘇った。



あれから1年・・・俺はまた暁先輩に恋をしていた。



でも、暁先輩は俺が後輩だということを覚えていない。



挨拶をいつも噛んでしまう人・・・・きっとそういう印象しかないだろう。




それがなにより辛かった。



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