この想いは・・・。
「武田、これコピー。それとこの書類を人事部の沢田に」
「はいっ!」
「なんだお前・・・気合い入ってるな」
「はいっ!」
そりゃそうだろ。
だって、あの暁先輩とあんなにいっぱい話せたんだから、嬉しくて嫌な仕事も楽しくできる。
そして、俺は浮かれすぎて・・・コケた。
「痛って・・・」
恥ずかしい・・・この歳でなにもない所でコケるなんて・・・。
「プッ、アハハハハ」
この笑い声は、見なくても分かる。
いや、見たくない。
「26になる大人が本気でコケてる・・・は、腹痛い。プッ、クックックッ」
絶対口を押さえて笑ってるな・・・。
「どうやったら、なにもないとこでコケられるの?」
「・・・これはわざとです」
無理な言い訳を言った。
「そういえば、なんで暁先輩がここにいるんですか」
暁先輩は出入口の前で受付をしている。
その受付の暁先輩が目の前で俺を見て笑っている。
それがなんでここに・・・?