あなたの部屋で死なせて下さい
「で、どーいうつもり?」
私の言葉に驚いた彼は私から離れると
場所をリビングに移し、態々お茶まで入れくれた。
「ありがとうございます」
最後の飲み物を一口飲んでから
「私、死にたいんです」
話を始めた。
「私の家族は父と母と私の三人で。つい先日父の会社が
倒産したんです」
それからはもう地獄で。
学校の授業料は滞納するし、家も手放さないといけなくなった。
借金取りの人にしつこいくらい取り立てをされて
生活は悪化の一途をたどっている。
もし私が死ねば
お父さんとお母さんは少しばかりは楽になるかもしれない。
そう思って私は死を選んだ。
「でも」