俺様先生と秘密の授業【完全版】
「お前自身だって、実は。
 どっぷり、天竜組に関わってるって話じゃないか?」

 そう言って、吉住さんは。

 汚いもののように、岸君を、見た。

「お前は、今。
 天竜組で総長の座に居る。
 東屋 誠(ひがしや まこと)の想われ人だって?
 その気になれば、お前の一言で、天竜組の動きが変わるほど。
 東屋は、お前に惚れてるって話しじゃないか!
 もともと、すごい女好きで。
 いつも側には女を欠かしたことのないって噂の男相手に。
 どう媚びを売ったのか、考えたくもない!
 そんな野郎に、大事な愛莉さんを、渡せるか、莫迦!」

「違……」

 岸君は、違う、と言いかけたみたいだったけれど。

 ちゃんと考えたら、思い当たるコトばかりだった。

 元々の言葉使いが、変なコト。

 あたしのお迎えを、自分への用事だと思ったコト。

 断った、とはいえ。

 副総長の座を望まれ、紙一枚で、天竜組のヒトに言う自分のコトを聞かせたクセに。

 天竜組のメンバー自体とは、あまり仲良くなさそうなコト……!

「本当は、同性が好みのはずなのに、愛莉さんが好き?
 ふざけるな!!
 どこかで、大総長の妹さんだって知って、利用しようと思ったんだろう!?
 そのお綺麗な顔で、男も女も簡単に釣れるって?」

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