俺様先生と秘密の授業【完全版】
「は?
 交通法規って、あんた!
 この状態で、信号無視も、スピード違反もなく、天竜組の単車を引き離すのか!?
 あんたは、莫迦か?
 それとも、相当、天竜組を莫迦にしてるのか!?」

 岸君も、負けずに怒鳴り返して、バイクを発進させた。

 その、すぐ後を。

 紅い特攻服を乗せたバイクが、追いかけてくる。

 天竜組だ。

 ばばばっ、と。

 鳴らすエンジン音は、とてもうるさいけれども。

 沈黙の狼より、そんなに目に見えて、遅いって感じはしないんですど……っ!

 とは、思っても。

 先生の後ろに乗っているだけのあたしは、何も出来るはずもなく。

 しっかり捕まってろ、って言葉に。

 ただ。

 ぎゅっと先生の背中を抱きしめているしかなかった。













 
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