丘の上より
「…すまない、幸恵。」
「え?」
「―――私がお前を腹立たせるようなことをしなければ、お前はきっと―――」
男は妻を見たとたん、口を結んだ。
妻は男に微笑んでいたからだ。
妻は軽いため息をつく。
「――あなたはいつも、私のことばっかり…。自分は後回しになっちゃうの。」
「…」
「あなたには、何の責任もないのよ。」
妻は男にゆっくりと近づいていく…。
「私のせいなんだから…」
「―――でもっ!」
「…ほら。」