職人の娘。
お母さんはあの頃からラーメン屋に勤めていて、ばあちゃんやじいちゃんと、お母さんの働く店へ行けば白のTシャツに白の寅壱ニッカ、白い腰巻きエプロンをして、女だてらに頭に白いタオルを巻いて厨房から怒鳴りまくってる姿を見れた。


口が悪くて、怒らせたもんなら従業員に手足出す程激しい気性…


間違っても

「あれは私のお母さん」

なんて自慢は避けたいタイプだった。


休みの日でお母さんが家にいるのは、地獄だった。


そんな母親の姿を見てきたからか、私も滅法強くなっちゃって、保育園じや片っ端から男の子を泣かせてきた。


「ほまれちゃんは怖い」


全.園児にアウトプットされた、まさに暗黙の了解。
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