カラダから始まる恋ってありますか?

だからって、あの頃に戻れる事はできない。


あたしには、裕介さんがいる。


裕介さんがいるんだ…。



なのに、なぜだろう?



ちょっとだけ、あの頃と同じように車を運転するジュンの横顔を、ジッと見つめてしまうのは…。



あたし…どうしたんだろう?



この想いは、どこからきたのだろう?


そんな事を考えていた時だった…。







「俺達…もう戻れないのかな…」







ジュンがボソッと呟いた。





あたしは、心臓が一瞬跳ね上がり、ジュンの横顔を見つめた。



赤信号で止まった車の中



ジュンは、苦しいくらいに切ない瞳であたしを見ていた。


ギュッと胸が締め付けられて、あたしはジュンから視線をそらして




「無理だよ…」と呟いた…。





< 277 / 382 >

この作品をシェア

pagetop