千景くんは幼なじみ
「…凄いなんてモンじゃないよ、あいつは、天才」

天才かぁ…。

そう言われても、イマイチ…ピンとこない。

フニャフニャ

揺れて笑う寿太郎くんが、頭に浮かぶ。







「でも、ちゃんと努力してる。そーいう所、結愛ちゃんにも見て欲しいな。

寿太郎は、ポッと出のエースじゃないよ」

ポッと出のエース…。

何だか、和奏くんのその言葉が

…耳に残った。








エースになるには、それなりの下積みがあって、

例え天才でも、ずっと努力し続けてるからこそ

今もエースでいられる。






和奏くんは、そう言いたかったのかな。









その後…和奏くんは帰ってしまって、

グラウンド脇の金網の外に一人

取り残された。





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