千景くんは幼なじみ
「穂積ちゃ~んっ!ジャージ貸してっ」

バタバタとうちの教室にやってくる男子一名。

男子と言っても…

コマイ。小さい。かわいらしい。





「次体育なんだけど…、ジャージ忘れちゃって。忘れもんしたら、単位落とすってセンセー言うし。ねっ?お願いっ」

いつもながら、彼は可愛いわ。

穂積の…幼なじみの和奏(わかな)くん。






和奏くんは、少し長めのフワフワ栗毛。

まったくもって女の子らしい…。

それこそジャージを着てたら、性別不詳。






和奏くんと穂積は…見た目も性格も男女逆転、デコボココンビ。






穂積はいつもそんな彼を、ウザ~って言うけど、

教室に戻る彼を見送る視線には…愛があると私は思っている。





え?

同じように、お隣さんを好きでいて欲しいっていう願望だって?





あはは…

そうかもしんない。





でも、ボーイッシュな穂積は

和奏くんの前では…たまに女の子なんだ。





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