たからもの
私達は重い足取りで悠真の病室へと向かった。

「あ、どうだった?」

「うん。なんか先生、ちょっと手が離せないみたい…。でも、説明したら奇跡だって。」

「よかったあ…。悠真すごいよっ!!」

美麗は悠真の手を握る。

「早く目覚めてね。」

美麗に言いたくない。

悠真が二度と目覚めないなんて…。

美麗を傷つけたくない。

でも、いつかは言わなくちゃ…。

先生が言う前に…。
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