雑用部+α
猿渡は勢いよくイスから立ち上がり、片手をあげ
「沖田唯を惚れさせよう作戦!!開始!!」
声が部屋中に響き渡る
「……」
哲は苦笑が入り交じった目で猿渡を見た。
※
「ストーカーしてんだから、この近くにいるはずだよな?」
猿渡は廊下を見回した。
しかし、人が一人もいない。
「いないな」
「いないな」
廊下は薄暗い。
おばけなどの類が出てきそうな雰囲気。
「何で部活してる人もいないんだろーな」
「ここ旧校舎だからじゃね?」
「あ、そっか」
「だから電気も点いてないんだよ」
「なーるほどー」
猿渡たちは、また部室に戻った。
怖くなってきたからだ。
猿渡ソファに座ると同時に、哲に聞いた
「本当に、ストーカーされてるのか?」
「ああ、間違いない」
きっぱりと言う哲
「じゃあ何でいなかったんだ?」
「いたらいたで恐いけどな」
「たしかに。開けた瞬間ドアの前に立ってたら…」
自分で言って、怖くなってきた猿渡。
どうやら哲も同じらしい
顔が青ざめている
「おい」
哲がドアに指を指し
「ドア開けてみて」
「嫌だよ!!!」
全力で拒む猿渡
「死ぬだろ!!開けた瞬間、メカニックファイト的な奴がいるんだろ!!!」
「誰だよ。メカニックファイトって。何かの怪人?」
この質問には答えず
「…とにかく―開けるなら二人で開けるぞ」
「心〇の扉を?」
「それはハ〇レンだ!!部室のドアだよ」
「体の一部、取られたりしないかな…?」
「だからハ〇レンか!!」
「なるほど」
哲は急に真顔になり、「じゃあ要は人柱―ボカッ」
言い終わらないうちに猿渡に頭を叩かれた
叩いた後、わざとらしく咳払いし
「ストーカー野郎がいないってことで今日は、解散だ!!!」
「声でかすぎだ!!!」