雑用部+α

猿渡は勢いよくイスから立ち上がり、片手をあげ

「沖田唯を惚れさせよう作戦!!開始!!」


声が部屋中に響き渡る

「……」

哲は苦笑が入り交じった目で猿渡を見た。




「ストーカーしてんだから、この近くにいるはずだよな?」


猿渡は廊下を見回した。
しかし、人が一人もいない。

「いないな」

「いないな」

廊下は薄暗い。
おばけなどの類が出てきそうな雰囲気。

「何で部活してる人もいないんだろーな」


「ここ旧校舎だからじゃね?」

「あ、そっか」

「だから電気も点いてないんだよ」

「なーるほどー」


猿渡たちは、また部室に戻った。
怖くなってきたからだ。

猿渡ソファに座ると同時に、哲に聞いた

「本当に、ストーカーされてるのか?」

「ああ、間違いない」

きっぱりと言う哲


「じゃあ何でいなかったんだ?」

「いたらいたで恐いけどな」

「たしかに。開けた瞬間ドアの前に立ってたら…」

自分で言って、怖くなってきた猿渡。

どうやら哲も同じらしい
顔が青ざめている

「おい」
哲がドアに指を指し

「ドア開けてみて」

「嫌だよ!!!」

全力で拒む猿渡

「死ぬだろ!!開けた瞬間、メカニックファイト的な奴がいるんだろ!!!」


「誰だよ。メカニックファイトって。何かの怪人?」

この質問には答えず

「…とにかく―開けるなら二人で開けるぞ」

「心〇の扉を?」

「それはハ〇レンだ!!部室のドアだよ」

「体の一部、取られたりしないかな…?」

「だからハ〇レンか!!」

「なるほど」
哲は急に真顔になり、「じゃあ要は人柱―ボカッ」
言い終わらないうちに猿渡に頭を叩かれた

叩いた後、わざとらしく咳払いし

「ストーカー野郎がいないってことで今日は、解散だ!!!」


「声でかすぎだ!!!」



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