煌めきの瞬間
「俺もなんだよね」
「俺も……?」
それってどういう意味?
大地くんの言葉の意味が余計にわからなくなった。
そんなわたしの隣で、大地くんは眉間に皺を寄せて口を開いた。
「さっきの、あの女の人。すげー酷いよな」
「もしかして、大地くん……全部聞いてた?」
「うん。だってあんな大声、みんなに聞こえるよ」
やっぱり聞かれてたんだ……。
恥ずかしくて胸の隅っこがギュウ~と締めつけられる。
「わたし、最悪だよね……。やる気ないのに『頑張ります』なんて言っちゃって」
「そんな事ないよ。それにあの人、あの言い方はないよ」
「ううん、杉山さんの言うとおりだよ」
大地くんの顔を見上げた時、後ろから低い声が聴こえた。
「だったら、こんな所で何してるの?」
え……。
振りかったわたしの目に映ったのは、怪訝な表情の安藤さんだった。