煌めきの瞬間
「ごめんね、春香ちゃん……」
「大地くん?」
「あ~あ、俺ってホント……」
大きな溜め息をついた大地くんは、太陽に背を向けるようにしゃがみこんだ。
大きな体の大地くんの背中が、なんだか小さくなったように見える。
大地くん……
何かに苦しんでる……?
「大地くん……」
「ごめんね、春香ちゃん。元気付けるはずが心配させちゃって」
「ううん。さっきはありがとう」
「礼なんていらないよ。今の俺にはこれくらいしか出来ないから」
「わたし、嬉しかったよ。慰めてくれて……」
「そう? 春香ちゃんが少しでも楽になれて良かった」
優しい微笑みで話してた大地くんが、
少しの間の後、真剣な眼差しで空を見上げた。
大地くん……?
「けど、ここで終わっちゃだめなんだよな」