煌めきの瞬間
なんとか数分間でパンを食べ終えたわたしは、窓の向こうにある第一校舎に目を向けた。
あそこに、安藤さんと咲坂さんが居る。
こことは違った雰囲気の校舎なんだろうな‥‥。
チャイムが鳴ってもぼーっとしているわたしの耳に、美鈴が囁いた。
「あっちに行ってみる?」
「‥‥えっ!! あっち!? 」
思いもつかない事を口にした美鈴に、大きな声が出てしまった。
「シ~~っ!!」
「だって、今言った事って‥‥」
目を大きくしているわたしの前で、美鈴が人差し指を口の前に置いた。
「後でね」
そう言って体の向きを戻した美鈴の背中を、わたしはドキドキしながら見ていた。
あっちに行くって‥‥
もしかして、
もしかして‥‥?